最新のマンションのベランダには必ず設置されている「避難ハッチ」。
なければ、火事などの際に逃げることが出来なくなるかもしれないので大変です。
ただし、部屋によってはこの避難ハッチがない場合もあります。
避難ハッチのない部屋は、ベランダの隣の部屋との壁に「蹴破り戸(仕切り板、避難扉)」が設置されていて、火災などの緊急の時にはこの扉を突き破って隣の部屋のベランダへ避難できます。そして、隣の部屋の「避難ハッチ」を使用するのです。
うちのベランダには「避難ハッチ」が設置されています。
ベランダにはウッドデッキを敷きたかったため、そもそもこのハッチは邪魔だと思っていました。
シルバーのあのギラギラした感じもあまり好きではなく、ないほうが明らかにベランダがすっきりして見えます。
しかし、「ハッチなし」部屋の間取りに納得がいかなかったため、仕方なく「ハッチあり」の部屋を選びました。
「ハッチは邪魔だけど、ウッドデッキが敷けなくなるわけではないし」
「あった方が非常時に確実に避難できるしな」
という軽い気持ちでした。
しかし、実際に住んでみると、ハッチの位置が意外と(結構)邪魔でした。
Contents
避難ハッチが「邪魔」な理由
避難ハッチには乗ったり踏んではダメ
我が家の場合、ベランダへは大きな引違い窓(一般によくある左右どちらからでも開けられる2枚組の窓です)を開けて外へ出ます。
右側の引違い窓を開けて出たすぐの所に「避難ハッチ(避難はしご)」があるのです。
このハッチには、大きく「避難はしご」と書かれており、その他にも、避難時以外「のらない」「あけない」「さわらない」とも書いてあります。
のらない?
乗ってはダメなの?
ベランダへ出てすぐの所にあるのに??
このように、避難はしごに乗って、洗濯物の出し入れをしてはダメなのです。
この「避難はしご」は、少し左寄りに設置されているので、洗濯物を外に干していない場合は、「避難はしご」を迂回することは可能ではあります。
あくまで洗濯物を干していない場合なので、干している場合は洗濯物があるために上記のような迂回は出来ません。
残る方法は、窓とはしごの隙間を通るか、避難ハッチを大股でまたぐかです。
窓とはしごの隙間を通る場合、そのまま通っては体が窓に当たってしまうため、体を窓に平行に向ける横歩きをする必要があります。
たいてい日中は洗濯物を干しているため洗濯物が邪魔で、結局、大股でハッチをまたぐのが日課となっています。しかし、いくら大股でまたいだとしても、気が付いたらついつい踏んでしまっているのです。
では、そもそも左側の窓から出入りしたらいいのでは?と思う方もいるかと思いますが(もちろん自分でもそう思います)、ベランダの窓は大きいので、かなり固く重いです。
効き手である右手であけるほうがマシなので、右側の窓から出入りしてしまいます。
年2回の消防設備の点検で、ハッチの点検もある
マンションでは年に2回、消防設備の点検が義務付けられています。
消防設備の点検では、点検する人が実際に部屋に入ってきて、火災警報器、ガス警報器が正しく作動するか、消火器は備わっているか、非常時に隣の住人にベランダに逃げられるように設置してある仕切り扉の前に物を置いていないか、等をチェックします。
避難ハッチが設置してある部屋の場合、ハッチも実際に開けてみて、使用可能な状態かどうかを確認します。
このハッチをあける際に、ホコリやごみが舞い上がります。また、上階の部屋のハッチの点検の際には、上階からホコリ等が降ってくる可能性もあります。
よって、事前に配られる「点検のお知らせ」には、「洗濯物を取り込むなど、ご注意ください」といったことが書かれています。
「年2回だけだし」という考えもありますが、天気の良い日にあたったりすると、洗濯物に注意しないといけないことがストレスとなっています。
見た目もよくない
ご存じの通り、避難ハッチは銀色でギラギラしていて、ベランダの中でもよく目立ちます。
また、避難ハッチは出っ張っているので、ベランダの床とは段差になっていて、ベランダ床との一体感がなく、ベランダが(狭いベランダの場合)より狭く見えます。
避難ハッチがあってもウッドデッキは敷けます。たいていの場合、ハッチ部分を避けて敷くことになりますので、避難ハッチが目立つことには変わりません。
最近、避難ハッチの上もウッドデッキでカバーしてしまう(ハッチの上のウッドデッキは開閉可能にする)人もいるようですが、お勧めな方法とは思えません。
緊急時に誰が見てもハッチの位置が分かるようにしなくては意味がありません。
ハッチは非常時に使用するためなので、避難ハッチは目立つのが当たり前なのです。
自由に使えるスペースが少なくなる
「ベランダにおしゃれなテーブルセットを置いて、ベランダでくつろぐ」ということに憧れている人も多いのではないでしょうか。
私もベランダでの朝食などに憧れていました。しかし、現実は厳しいです。
これは狭いベランダに限った話にはなりますが、ハッチの上に物を乗せることは出来ないので、テーブルや椅子を置くスペースは限られてしまいます。
我が家はテーブルセットは断念しました。
しかし、置きっぱなしのテーブルセットの場合、台風の際に飛ばないか、汚れはどうする、などの問題もあるので、余計な心配をしなくて済む分、「テーブルセットなしもありかな」と今では思います。
ただし、テーブルセットを置きたい場合は、部屋選びの際にベランダのサイズもしっかり確認したほうがよいです。
避難ハッチの上や周りにホコリが溜まる
ベランダは意外とホコリが溜まります。
洗濯物をパンパンとはたいただけで、ホコリは舞い上がり、ベランダの床に落ちます。そのホコリがベランダや網戸に溜まり結構問題なのですが、もちろんハッチの上もホコリだらけです。
ベランダのホコリは、歩いただけで舞い上がるので、定期的にホコリを掃除しないといけないのですが、ハッチの上も掃除しないとホコリは溜まる一方です。
定期的に雑巾などで拭いて、ハッチの上のホコリを取り除いています。
避難ハッチに悩まない回避策
「ハッチ付きの部屋を選んだんだから、もう仕方がないじゃない」と思いたい。
しかし、上を見上げて気が付きました。
一つ上の階のハッチは左側に設置されていることに。
動線上にハッチがないベランダを選ぶ
避難はしご同士が干渉しないよう、階ごとに交互に設置されている場合があります。
入居を検討する時にもらう図面集にも確かにちゃんとハッチの位置は書いてあります。
ただ、私が気にしていなかったのが問題でした。
今となっては「ああ、1つ上の階か1つ下の階を選べばよかった・・・」
と後悔しています。
もう住み始めてしまっているので、もちろん諦めはついていますが、もし引っ越すことがある場合は、避難はしごの位置もしっかり確認してから部屋を選ぼうと思います。
小さいことのようで、ベランダへ出るたびにストレスになっています。
(どうにもこうにも踏んでしまうので)
避難ハッチのない部屋を選ぶ
当たり前ですが、避難ハッチのない部屋を選べば、ハッチ問題にはぶつかりません。
ただし、その場合、その部屋の間取りを気に入っている場合に限ると思われるので、気に入った間取りの部屋にハッチが設置されている場合は、階によってハッチの位置が異なっていないか、等を確認してみましょう。
そもそもベランダが広ければ
そもそもベランダが広ければ、避難ハッチによるストレスは軽減されるのかもしれません。
ウッドデッキを敷く場合は、せっかくのウッドデッキが避難ハッチのせいで一体感が損なわれてしまうことに変わりはないですし、ホコリがハッチの上に溜まったり、消防点検でハッチの点検があるのも変わりませんが、避難ハッチ最大の問題、「避難ハッチを踏んでしまう」可能性はぐっと減ります。
これだけでもストレスは大きく改善するかと思います。
ただ、広いベランダに住む・・・なかなか難しい問題です。