新築マンションに入居したら行われる定期点検(アフターサービス)。
定期点検では、所有者が指摘した不具合を無償で補修してもらえます。ぜひ有効活用したいサービスです。
「これは故障じゃないよね?」「これくらいは仕方ないか」と自分で決めつけず、とりあえず指摘事項にリストアップして、プロの目で本当に不具合かどうか確かめてもらいましょう。
「新築マンションなのだから、ほぼ完璧な状態で引き渡されているのに違いない」と私は思っていました。しかし、実際は違いました。不具合箇所が意外と多くて驚きました。
これから定期点検を受ける人は、「不具合箇所なんてないだろう」ではなく、「不具合箇所があるに違いない」くらいの気持ちで臨むのがよいと思います。
Contents
定期点検で指摘して「対応してくれた」
電気のスイッチの反応が悪い
たくさんある電気のスイッチのうち1つの反応が悪かったので指摘しました。
スイッチを押すと、電気が点くときもあれば点かない時もある。ガシっとうまく押せている感じがするときもあれば(こういう時は点きます)、うまく押せていない感触の時もある(こういう時は点いたり点かなかったりです)。
再現率が低かったので(うまく点かない現象は頻繁に起きていたわけではない)、あの当時は「私の押し方が悪いだけでは?」「何か押し方があるのかな?」「そもそもこういう物なのかも?」と思い、不具合だという確信はない状態でした。
しかし、念のため不具合の指摘事項のリストに入れておいたところ、やはり不具合だということで修理してくれました。
再現率が低いと、作業員の人が来ている時に限ってうまく点いてしまうかも、と不安になりますが、プロがスイッチ内部を見たらすぐに不具合かどうかすぐに見分けられるものなのかもしれません。「何かがおかしい?」と思ったらとりあえず依頼してみましょう。
家具に傷が付いている
食器棚と収納棚(流し台の下)にキズがついていました。
細い鋭いもので傷つけられたようなキズで、自分でうっかり付けたとはとても思えなかったので、修理リストに入れました。
「新築なのにキズが付いているなんて」と結構ショックでした。「扉ごと交換してくれないかな」と少し期待したのですが修復でした。
はずして屋外へ持っていき、スプレーをかけたり磨いたりしていました。
キズはきれいに消えていて、キズが付いていたとはとても見えないほどで驚きでした。
流しの下にある扉のキズは、しゃがんだ時に偶然見つけたものでした。床に落ちた物を拾うためにかがんだ際に、目線が偶然床から上にあがった時に見つけました。床掃除などでキッチンにしゃがむことは多いと思いますが、その場合は床をメインに見ているので、低い位置にある扉のキズにはなかなか気が付けません。
定期点検の前には一度目線を低くして、低い位置にあるものに問題がないか確認してみることをお勧めします。
床にキズがついている、床のつなぎ目が浮き上がっている
フローリングのつなぎ目部分の角が浮き上がっているように感じたので、修理をお願いしました。
この写真は実際に修理した箇所ではないのですが、フローリングのつなぎ目部分に隙間が全くなく、板の角が少し浮き上がっていました。
これも「よくあることなのかも」や「修復ってほどではないかな」とも思ったのですが、念のため補修リストに入れました。
すると、不具合箇所を見た担当者の説明は、
・フローリングの板は伸びることを想定してもともと少し隙間があるもの
・今回は隙間が狭すぎたため、板の角が浮き上がってきている
とのことでした。
「不具合の指摘は間違っていなかったんだ」と安心したものの、修復の結果は何とも言えないものです。浮き上がっている部分をカットしてくれたのですが、カットした角は何もしていない角とは見た目が少し異なります。「そのうちなじむのでは」とも思ったのですが、あれから2年近く経つ今でも、どこをカットしたのか分かるくらいです。
ただし、誰も床をじっくり見たりはしないので、私以外の家族は全く気が付いていないと思います。
フローリングは他にも、自分たちが付けたとは思えないキズが数か所あったので修理をお願いしました。
「キズや汚れは補修対象外」となっていたのですが、入居してまだ3カ月。お願いするなら今しかないと思い、補修依頼のリストに入れました。そして、特に何も言われることなく修理してくれました。
スプレーをかけながらの作業で、シンナー?のような臭いがすごく、真冬なのに窓を全開に開けておかなくてはならず、とても寒くて臭いがすごかったです。
壁紙(クロス)が丁寧にカットされていない
天然石と壁紙の境目が丁寧にカットされておらず、天然石に壁紙が少し乗っかっている(張り付いている)部分がありました。
他にも天井に近い部分の壁紙と木材の境目がうまくカット出来ておらず、木材に壁紙が張り付いていた。
壁紙に関する指摘箇所は5か所くらいありました。
補修はしてくれたのですが、補修に来た職人さんの腕があまりよくないのか(おじいさんだったので、目が見えていないのか・・・)、少し作業しては「これでどう?」と聞かれ、「もうちょっとお願いします」というのを繰り返し、「もうこの程度でいいか・・・」と私も諦めてしまいました。100点ではないですが、まあいいか、しょうがないか、というレベルです。
定期点検で指摘して「対応してもらえなかった」
壁紙(クロス)のノリが至る所についている
標準で設置されている収納やドア周りの木枠に半透明で白っぽく乾いているノリ(触るとパラパラ取れる)が無数に付いていました。これが何なのか自分では分からなかったのですが、引っ越し前に来てもらった外部のリフォーム会社の人に「壁紙のノリが残ってるよ。作業した人がふき忘れてるんじゃない?」と指摘されて初めて分かりました。
ノリが付いている箇所は無数です。どの部屋にも(トイレにも脱衣所にも)壁以外の場所にはノリが付いていました。
3カ月点検で指摘したところ、残念なことに「自分で拭いてください」と言われました。しかも、「早く拭いたほうがいい」ともアドバイスされました。
既に住み始めているので、見知らぬ作業員にあちこち見て回られては、確かにいい感じはしません。諦めて自分で拭きました。濡らして固く絞ったタオルで30か所くらいは拭いたのですが、ノリなのでタオルはベトベトになるしで最悪です。
壁紙のノリがいろいろな所に残っている点は、内覧会で気付くべきだったと後悔しています。内覧会で指摘したら、入居までに拭き取ってもらえたのかもしれません。
3カ月点検よりも「前に」補修してもらった
食器棚の棚板が少し押し潰されている
棚板は目線より上にありました。椅子に乗って食器棚の中を上から見たときに、棚板の隅が留め金に押し潰されていることに気が付きました。
食器棚は椅子に乗らなくても使用出来ます。椅子に乗って上から何気なく見てみたのは奇跡です。
少し分かりにく写真ですが、「棚板を留め金部分に無理やり押し込んだために、板の角が潰れてしまった」ように見えます。
食器棚は使用したい。けれど食器を入れてしまうと修理の時にまた食器を移動させるのは面倒だからまだ使用したくない。だから早く修理してほしい。
とても3カ月点検までは待てず、すぐにメーカーに連絡しました。
部屋の引き渡しは終わっているけれど、まだ入居はしていないタイミングだったので、「修理ではなくて新しい棚板に交換してほしい」気持ちがとても大きかったです。
しかし残念ながら修理でした。
「リビングボード」と「エコカラット」の間に隙間が出来ている
オプションでリビングボードとエコカラットを設置しました。
リビングボードを設置し、同じ壁のリビングボードがない部分はエコカラットを施工。このリビングボードとエコカラットの間に「充填材」が入っていたのですが、その充填材が剥がれてきたので、充填材を入れ直してもらいました。マンション引き渡し後、1カ月の時点で起こりました。
充填材を入れ直してもらった直後はよかったのですが、ものの数カ月でまた隙間が出来てしまい、今では放置しています。
ただし、充填材を入れ直してもらう前よりはマシな状態ではあります。
修理してもらって思うこと
不具合かどうか怪しいものの、疑問に思ったらとりあえず定期点検の修理依頼リストに入れるべきだと思います。
ただし、完璧に修復できるものもあれば、思っていたほどの出来栄えではないこともあります。少しモヤモヤも残りましたが、修理してもらえてよかったとは思っています。
定期点検は無償で行ってもらえるので、うまく利用しない手はないです。とにかく依頼してみましょう。